天津で爆発事故は人災



<朝日新聞> 2015年8月14日 『天津の爆発事故、危険物質と知らず放水した可能性も』

当局の発表によると、倉庫近くで自動車が燃えているとの通報を受けて消防隊が現場に到着したのは12日午後11時ごろ。ある消防隊員は「水をかけてはいけない危険物質があるとは知らなかった。現場で用いたのはすべて水だった」と中国メディアに語った。 (中略)

倉庫には硝酸化合物などの化学物質があったとみられている。中国誌「財経」などは、爆発の危険性が高い火災の現場に多数の消防隊員を突入させた判断自体を疑問視する専門家の声も紹介している。現場付近は当時、大量の有害気体も出ていたとみられている。

爆発によって火災が発生したため、消防隊が水をかけたら、
対象がシアン化ナトリウムであったため二次爆発を起した、ということらしい。



どのような化学物質があるかわからない状況で水を撒く事は、
化学反応を引き起こしかねないため危険な行為です。



ちなみに、日本だと一定の規模以上の工場や研究所の場合は
役所に申請を出す必要がありますので、火災現場で何が燃えているのか、
水を掛けても問題ないのか把握することが可能です。



日本最大の君津製鐵所なんかでは、緊急時に備えて内部に消防署までありますし、
取り扱っている化学物質に有効な専用の消化薬液が大量に備蓄されています。



仮に何が燃えているか分からない場合は、二次災害を避けるため、
水ではなく窒息消化、砂を掛けたりします。




中国では消防隊がいきなり放水で鎮火をはかったわけですから、
どこで何が燃えてる等の基本的な危機管理が存在しないことになりますね。



環境汚染や中国版新幹線をみていても分かりますが、
安全や環境を犠牲にして競争力を維持してきたのですから、
この手の事故が起きるのも必然と言えそうです。