笛吹けど踊らず


<読売新聞> 2015年5月10日 『アジア投銀、日本の参加見送り「適切」73%』

読売新聞社の全国世論調査で、中国が主導して設立されるアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、日本政府が米国と共に参加を見送っていることを「適切だ」と思う人が73%に達し、「そうは思わない」の12%を大きく上回った。

 安倍内閣を支持する人の中では、参加見送りを「適切だ」とする人が80%を占めており、内閣を「支持しない」と答えた人でも、「適切だ」は63%に上った。AIIBには運営の公平性などで懸念が示されており、政府の判断は幅広く受け入れられている。

麻生さんが大臣のうちは、日本がAIIBに参加する可能性は限りなくゼロに近く、
それなら、と世論を誘導するべく、「日本が孤立してしまう!!」と、
マスコミが全力で不安を煽ってみたものの、思うように国民感情は動かせなかった模様です。



参加することによるメリットは語ることができずに、ひたすら、「バスに乗り遅れるな!!」と、
連呼していただけですからね。普通の人なら、「これは怪しすぎる・・・」と判断するでしょう。
まさしく、笛吹けど踊らず、ですな。<朝日新聞> 2015年5月11日

中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、アジア各国や英独仏など57カ国が創設メンバーとなり、月に設立協定が結ばれる見通しだ。米国とともに参加に慎重だった日本は取り残された格好となり、国会では「このままではバスに乗り遅れる」と早期参加を求める声が少なくない。(中略)


世界の経済大国となった中国が存在感に見合うだけの発言権を国際金融の舞台で求めるのは当然のことだ。日米は国際通貨基金IMF)や世界銀行、そしてADBでも、中国に発言権と役割をもっと与えるべきだ。そこで前提となるのは、たとえ支援のためであっても金融の規律に従って、持続可能な投資にすることである。

現段階で、AIIBに日本を参加させることは困難と判断したのか、
中国政府と日本のメディアは方針を変えた模様です。



日本、アメリカが不参加なら、資金不足で銀行として機能しませんので、
AIIBはいきなり頓挫してしまいます。
それを避けるために、ADBとの連携を主張しはじめました・・・。



朝日新聞が仰るに、「ADBでも、中国に発言権と役割をもっと与えるべきだ」
なんだそうな。ADBに多額の借金があり、返済できていないのが中国なのですが、
何ゆえ発言権を与えなくてはならんのでしょう(笑)。
まずは、借金を返済しよう。話はそれからですね。



なんと言いますか、どう考えても完全に中国目線の記事、主張ですよね。
これでは、いくら慈悲深い日本国民でも共感してくれません。