財務省への皮肉

<中日新聞> 2014年11月17日 『GDP年1・6%減』

甘利明経済財政担当相は十七日に記者会見し「デフレ意識を払拭(ふっしょく)しきれない中で
消費税を上げるインパクト(衝撃)が想定より大きいことを学んだ」と、政府の景気見通しが想定外の結果になったことを認めた。 (以下省略)

デフレ下で消費税を増税すると、景気が大幅に悪化してしまうことは、
1997年の橋龍政権で経験済みのはずでしょう。



消費税を8パーセントに上げると、景気が悪くなる事は、
殆どの国民が予想していたことですから、経済大臣が予想外であるはずがないですね。
しっかり把握していたはずです。



だとすると、景気が悪化することが予想できていても、
増税せざるを得ないのっぴきならない事情があったと考えるのが妥当でしょうか。<産経新聞> 2014年11月17日 『消費税率再引き上げ 財務省「予定通り」に固執し、官邸激怒』

消費税率10%への再引き上げをめぐり、財務省が来年10月から予定通りに実施するよう固執し、自民党議員に「ご説明」に回った。これに対し官邸サイドは、「増税容認」で固めてしまおうとする動きだとして激怒、安倍晋三首相が衆院解散・総選挙を決意した遠因とされている。

 10月下旬、自民党有志でつくる「アベノミクスを成功させる会」会長の山本幸三衆院議員は、出席者が減ったことについて「財務省が根回しをしている」と同省への不満をみせた。財務省はとくに、再増税に慎重な議員に集中して押しかけた。同省幹部は、ある若手議員に再増税をしきりに訴えたという。

 「社会保障費が膨れ上がる中、消費税率がこんなに低いのは、国民を甘やかすことになる。経済が厳しくても10%に上げるべきだ」

 若手は「景気はかなり悪い」と反論すると、財務省幹部は「景気は回復していきます」と楽観論を振りかざした。その言いぶりは、まさに「上から目線」だったという。(以下省略)


景気が悪くなるので増税したくない政治家、
景気が悪くなっても増税したい財務省という構図ですね。



増税を決断することは表向き政治家の仕事になっていて、
その結果、景気が悪化し、批判の矢面に晒されるのも政治家です。



それで、政治家は支持を失い失脚するわけですが、一方で財務省は無傷です。
景気悪くなろうが、税収が減ろうが制度上財務省は責任を問われませんからね・・・。
だとすると、先の経済大臣の発言は財務省への皮肉かもしれません。