ギリシャをめぐる憂鬱



ギリシャはEUに留まることを決断した模様です。正直意外でした。
ギリシャ危機が始まったのは2009年10月のことですから、
もう6年間に渡って経済危機に直面しているわけです。



それで、この6年間でギリシャ経済は回復に向かっているのかといえば、
そんなことはなく、各国から借りた金利分が上乗せされ、むしろ悪化しています。
借金の元本をまったく減らせませんので、EUに留まっても意味がないどころか、
この先さらに酷い状況に陥っていくほかありません。



ギリシャはEUから離脱して、通貨をドラクマに戻すしか方法はないでしょう。
もちろん、その場合はギリシャ通貨の価値が暴落しますので、
しばらく混乱、混沌が訪れるでしょうけれども・・・。



現実問題として、ギリシャがEUに留まったとしても、何も解決しません。
他国からの支援がなくなればそこでお終いです。
先延ばしすればするほど、他のEU諸国や国際社会に対する波及も大きくなります。
落としどころが無くなってきました・・・。<時事通信> 2015年7月2日 『輪転機「既に壊した」=ギリシャ財務相

ギリシャのバルファキス財務相は2日、国内にはユーロに代わる紙幣を印刷する輪転機がなく、「通貨を発券する能力はない」と説明した。オーストラリアのABC放送での発言として、AFP通信が報じた。
 バルファキス財務相は、ギリシャがユーロを導入する直前の2000年に、将来のユーロ圏脱退の可能性を排除するため当時の通貨ドラクマ輪転機をすべて処分する必要があったと主張、「輪転機は当時壊した。今も持っていない」と述べた。 

苦痛を伴いますが、元の通貨に戻すしか方法がないはずのギリシャですが、
なんと、元の通貨であるドラクマ輪転機は既に廃棄済みで、
ドラクマを新たに刷ることができないそうな・・・。



記事を読むと分かりますが、輪転機を廃棄した理由にちっとも説得力がありません。
ギリシャの姿勢は、「どうにかしよう」ではなく、「どうにかしてくれ」という感じです。



日本としては、近い将来ギリシャが破綻した際になるべく影響を受けないよう、
今から国家としてしっかり備えて欲しいですね。